中島らもさんって知ってますか?
サブカル界では知らない人はいないほど有名なぶっ飛んだ人です。
とにかくお酒が好きで、小説家であったり、ミュージシャンであったり、落語もしたりと様々な経歴の持ち主です。
そんな中島らもさんの代表作『今夜、すべてのバーで』という小説があるのですが、これがすごく心地いい作品なんです。
中島らも『今夜、すべてのバーで』を30代の人におすすめする理由
中島らもさんの「今夜、すべてのバーで」を30代の人におすすめする理由は、単純に主人公の年齢が近いので親近感がわくからです。
主人公の年齢は一番働き盛りの35歳です。
その主人公は世の男子が一番勢いに乗っている年齢でアルコール依存症になって倒れてしまいます。
そして入院するのですが、入院する中で様々なドラマや過去の回想があって、
徐々に「主人公がどういう人だったのか?」「何を考えて生きてきたのか?」などが読み取れるようになっていきます。
30代の人ならば、その歳の近さから全く違う35歳の人生をみせられて考えるものがあります。
主人公はどうしようもないやつなんだけど、自分のどうしようない部分も浮き出されてどうも憎めない。
全く違う人生を歩んでいるはずなのに、根本的な考え方は似てる部分もあったりと全く違う人生を歩んでいる主人公に不思議と親近感が湧くのです。
さらに、アル中と戦っている訳ではなく、アル中の自分を受け入れている主人公を見ていて気持ちいいです。
お酒を飲めない人でもお酒が飲みたくなるはず
酒を飲むときの表現が上手すぎて、アルコール依存症じゃないのにこっちが飲みたくなってしまいます。
主人公が我慢しているのが伝わってきますし、お酒が好きなのが伝わってきてお酒が飲めない人でも飲みたくなってしまうんじゃないかなと思います。
ただそのお酒のせいで主人公は体調を崩して入院してしまっているので、お酒を進めるというよりは、
アルコール依存症のリアルな状況を描いているのでアルコールに頼りすぎる事の危険性も十分伝わってきます。
これからの人生も強く生きていこうと思えるいい作品
最後まで読み終えると、いいものが残ります。
自分の大切にするものを今以上に大切にして強く生きていこうと思わせてくれます。
僕はお酒をあまり飲まないので、お酒が好きな人が「今夜、すべてのバーで」を読んだらどのような感覚になるのかが気になります。
お酒に依存する危険さは十分表現されていますが、
それ以上に透き通った文章と深い哲学的な一面とユーモラスな物語が混ざった非常に面白い作品です。
毎日仕事でクタクタになっている、疲れた心に温かいものを感じたい30代の人に是非おすすめです。
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